地下水

清冽(せいれつ)な地下水を将来も飲めるまち

提 案

  1. 水は循環していますので、美味しい安全な地下水を護るために、川や海を汚さない、大地を汚さない、空を汚さない、取組みを進めます。
  2. 都市計画にあたっては開発する地域と保全する地域を明確に分けます。
  3. 熊本県・熊本市の地下水保全条例に地域指定を設けます。
  4. 市民参加で、学際的な地下水保全円卓会議を設けます。
  5. 事業者・市民・行政・研究者などが協力し、農業・畜産業による硝酸性窒素の地下水汚染を防ぎます。

取り組み事例

  1. 白川中流域自治体と熊本市との連携による水田湛水事業の継続
  2. 熊本学園大学による地下水涵養米の購入、学生食堂での提供
  3. 熊本市節水市民運動の継続(節水目標230ℓ→218ℓに)
  4. 熊本市水保全課による「ウォーターライフ」の導入により、地下水に関する啓発活動を促進
  5. ソニーセミコンダクタ九州㈱による地下水涵養水田の支援
  6. 涵養域の農産物「水の恵み」を使った製品の創造

事例1 熊本地域での地下水涵養の取り組み

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阿蘇に代表されるさまざまな火山活動と江戸時代の加藤清正をはじめとする多くの治水工事により水田が発達したおかげで、熊本市とその上流域11市町村は、日本一豊富な地下水を有しています。ところが、1964年から日本人の食生活の変化でコメ余り現象が出てきて、1969年、政府は米の作付制限と転作で、生産調整、いわゆる減反政策をはかり、地下水涵養に翳りが出ました。大津町の農家大田黒忠勝さんは、かつての線虫を駆除するための湛水農法を思い出し、下流域の地下水涵養のためにと、九州沖縄農業試験場の協力を得て、ご自分の転作田で実験をされました。その結果、減水深(地下に浸み込む水の量)がとても大きいことが証明されました。大田黒さんの活躍で、熊本市は湛水の仕組みをつくろうと、さまざまに試行錯誤していました。そして2004年1月、熊本県の立会いの下、熊本市と大津町・菊陽町・水循環型営農推進協議会とで「白川中流域における水田湛水推進に関する協定」が結ばれ(2014年更新)、湛水事業に熊本市が助成する制度が確立しました。また、事業所の関わりとして、かんくまが大きく関わったソニーセミコンダクタの湛水事業を皮切りに、水とみどり愛護基金の耕作放棄地の再生や、サントリーを中心にした益城町における「冬水田んぼ」、山内本店の湛水事業、財団法人くまもと地下水財団の田んぼオーナー制度など、枚挙にいとまがないほどの事例があります。

(大住 和子)

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事例2 熊本学園大学によるウォーター・オフセットの取り組み

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熊本学園大学では、2009年の秋から白川中流域の水田で採れた「地下水涵養米」を学内の食堂に導入しています。地下水涵養米3トンの消費によって、学内の年間水使用量7万5千トンをウォーター・オフセットすることになります。ウォーター・オフセットとは、使った水の量を何かで相殺する。この場合は、地下水を生み出すお米を、年間の水使用量に見合う分購入することで地下水涵養に当てようという新たな取り組みです。実際には、年間10~15トンの米を「水の恵み」ブランドのエコ(減農薬・減化学肥料)米に切り換え、学生・教職員が食べることによって、おおよそ25~40万トンの地下水を生み出していることになります。地域の大学としての社会的責任を果たし、環境負荷を低減し、地域経済に貢献し、歴史的遺産を継承する中で、持続可能な熊本を維持することに貢献しています。

(宮北 隆志)

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