まちの主役は歩行者。誰もが、最小のエネルギーで自由に気軽に移動できる交通システムをつくる。
提 案
- 様々な世代の人々や障がいを持った人たちものびのびと移動でき、そぞろ歩きを楽しめるまちづくりを進めます。
- 自転車が安全に走行できる専用通行帯の整備と、バス、電車との乗り継ぎが便利なシステムをつくります。
- 様々な交通機関がつながり、マイカーに頼らなくても多方向に移動できる交通システムをつくります。
- 地域の公共交通を地域住民が積極的に利用し守ります。
- 車や自転車の共同利用を進めます。
- 自転車網の拡充を進めます。
取り組み事例
- アースウィークくまもとによるノーマイカーパレードの実施
- 熊本市による公共交通基本条例の策定
- LRT市民研究会によるセクターを超えた研修の実施
- やさしいまちづくり集団による啓発、調査、情報交換
- 熊本県ノーマイカー通勤デー運動による県内統一的運動展開
- 熊本市と公共交通事業者、郊外型ショッピングセンターなどが協力したパークアンドライドの実施
- 熊本市による自転車と楽しく暮らせるまちづくり事業
- 水俣市による自転車共通利用システム「ちゃりぞーくん」の実施
- 水俣市によるコミュニティ路線バス「みなくるバス」の運行
事例1 アースウィークくまもと「ノーマイカーデー」
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1990年から休むことなく今日まで継続している“アースウィークくまもと”。市民の主体的な環境保全啓発活動として認知され、地域ネットワークを広げる役割も果たしています。1993年、年に1日だけでも車に乗らないで過ごそうと「ノーマイカーデー」の実施を提唱。4月22日の“アースデー”に、車を置いて「バス・電車・自転に乗ろう!」と訴えパレード。市民のささやかな行動は次第に賛同の輪を広げ、今や熊本県、熊本市、バス事業者など数百人が参加する規模に拡大し、4月の風物ともなりました。この間、県内一円で利用可能な半額バス乗車券が発行(1998年~)や、交通解題の解決をめざすワーキンググループの発足(2001年~)、さらに交通システム改革を議論する円卓会議の設置と提案づくり(2004年)など、協働によって地域の交通問題解決に取り組む様々な活動が派生していきました。2008年から県民総ぐるみ地球温暖化防止運動と共催での実施とになり、2013年には熊本市が公共交通基本条例を策定するなど車に依存しないまちづくりの今後の進展にもつながる活動です。
(原 育美)
※公共交通が不便な熊本県では人々は移動手段としてマイカーに頼らざるを得ません。
そのため交通部門からの温室効果ガス排出量の比率は全国平均よりも約7%多くなっています。
低炭素都市づくりを進めるには公共交通の利用拡大が不可欠です。
事例2 熊本市の公共交通基本条例とノーマイカー運動
[row id="ROW_ID" class="ROW_CLASS"] [col class="span4"] [/col][col class="span8"]熊本市のアンケートで、住みやすさと住みにくさの上位に何と公共交通の利便さがあげられている。熊本市で公共交通のグランドデザインが作成され、日本初の公共交通基本条例が制定され、具体的に交通システムの結節が話題に上がってきたためであろう。このプランに市が財政措置の裏付けを持っていることも評価されてよいだろう。バスと電車のICカード乗車券での相互利用問題も今や全国のモデルとなりつつある。だがまだ問題は多い。バス会社の経営は苦しい。運転手も不足している。アースウィークくまもとでは20年にわたってノーマイカーデーを呼びかけてきた。とはいえ狙いとする熊本市内へのマイカー規制にはまだほど遠い。経済的な合理性で考えれば、マイカー規制が出来れば公共交通の利便性、定時性、速達性は簡単に保証される。それを目指して今こそ大きな発想の転換に取り組む時であろう。
(熊本学園大学教授 坂本 正)
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