基本概念 風土の建築と住まいづくりを
提 案
- 熊本の風土にあい、やがて自然に帰る、土や木の住宅に住みます。
- 畑で作物をつくり、野草や花のある庭で心豊かに暮らします。
- 供給先の森林の保全と林家の暮らしを守ることで、安定した供給をつくり、顔の見える家づくりを支援します。
- ウッドマイルズ(木材の産地から消費地までの距離)を測定し、持続可能な地域社会の構築に寄与する環境負荷(ウッドマイレージCO2)の少ない家づくりを支援します。
- 省エネルギーで環境負荷の少ない家づくりを心がけます。
- 地元の安心・安全な素材で家をつくる事業者を利用します。
- 暮らしやすい環境要因(つながり、命の大切さ、育てる楽しさ、食べる喜び、子供から老人まで、遊びの時間など)を住まいづくりに活かしたコミュニティづくりを応援します。
- 住宅医 を取り込んだ改築・改装を応援します。
取り組み事例
- 川尻六工匠すまい塾古川設計室(有)等による地場産材の家
- (株)ミズタホーム、活性建築研究所、新産住拓等によるFSC森林認証、SGEC森林認証材を使った家づくり
- (有)小椋住宅、新産住拓、(株)ミズタホーム等によるウッドマイルズの家
- 川尻六工匠すまい塾古川設計室(有)、活性建築研究所等による風土の建築
- 松下生活研究所、「生地の家」職人ネットワークによる小さな町づくりプロジェクト
- 新産住6. 拓、活性建築研究所による住宅医プロジェクト
事例1 つながりのある小さな町プロジェクト
熊本市の東部の住宅街・山ノ神。ここに菜園付賃貸住宅エコ・コミューン山ノ神はあります。延床面積24坪の小ぶりな自然素材の2階建てが6棟並び、その南側には小さな
畑があります。住人は畑を耕し、樹木が生い茂る共用の庭で10人もいる子供たちがのびのびと遊べる楽園です。
わが子も、よその子も同じです。この場所にオーナーがつくりたかったのは「小さな町」。この「小さな町」づくりは、知り合いに声をかけワークショップで始まりました。賃貸住宅であるにも関わらず、計画に参加し、木材の産地を訪ね、田んぼで農作業体験をし、コミュニティーをつくってきました。
共同生活のルールはなく、習慣的に各々が緑のカーテンづくりや田んぼでのコメ作り。菜園がコミュニケーションのきっかけになっています。
時折集う持ち寄りパーティーでは親戚同士のようです。大家族のように困った時に互いに助け合い、喜びも共にする現代版長屋住宅といえます。
(清水 菜保子)
事例2 地場産材/FSC/SGEC 森林認証の家づくり
世界の森林減少が続いています。中でもブラジルやインドネシアなど凄まじい勢いで森林破壊が続いています。以前、マレーシアの森に入りました。そこでは、森を伐られることで小動物の行き場がなくなり、川が濁り、兎や魚が取れなくなりました。
森と共に暮らしていた先住者は、自らも生きてゆくために、伐採業者の下請けとなり市場経済の中に取り込まれてゆく姿がありました。世界の森が哭いています。私たちの周りには多くの家が建っています。
多くは、森林破壊の木材です。地場産材やFSC、SGEC森林認証の家づくりは、そのような状況から回避したり、打破するために森林が適切に管理された木材で家づくりをしています。
熊本では、地場産材やFSC、SGEC森林認証の家づくりが盛んに取り組まれています。例えば、SGECの家づくりでは新産住宅、FSCの家づくりでは「生地の家」職人’ネットワークがあります。左記写真は、FSC森林認証の木材を使った家、阿蘇のM邸です。
(松下生活研究所 松下 修)